トレーニングの原理原則は以下の8つあると前回解説をしました。
①過負荷②特異性③可逆性④漸進性⑤全面性⑥反復性(継続性)⑦意識性⑧個別性
今回は、トレーニングの原理原則8つを現場で活かすには?として、より具体的な方法を解説していきます。
*長くなりましたので、パート1とパート2に分けました。今回は⑤〜⑧について解説をします。
現場で活かすには?
⑤全面性
目的が下半身だとしても、上半身も鍛えましょう!というのが全面性。
組織のつながりや全体のバランスがくずれるので、一部分だけでなく全体をトレーニングすることが重要と言われています。
視野を広げてみると、筋トレしかしない人はストレッチ、ストレッチしかしない人は有酸素運動、有酸素運動しかしない人は筋トレをしてみるなど、トレーニングの種類にも言えることになります。
さらに
・視覚
・聴覚
・触覚
・前庭覚
・固有覚
といった感覚刺激も変えてあげ、偏りをなくすことがポイントです。
⑥反復性(継続性)
どんなに頑張って目的を達成したとしても、トレーニングをやめてしまえばもとに戻ってしまいます。
トレーニングをはじめるときは、やる気に満ち溢れ最高なトレーニングスケジュールを組みがちです。
そのスケジュールを一生こなせるのであれば問題ありませんが、多くの人が時間の経過とともにやる気は下がりトレーニングをやめてしまいます。
2週間でマイナス10kgなど短期的に結果をだしてやめてしまうより(イベントや試合があるなど短期的な目標がある場合は別ですが)時間がかかっても、一生続けられる方が身体には負担が少なく目的に近づきます。
一般の人のトレーニングプログラムは理想的なスケジュールではなく、クライアントのライフスタイルや性格などを考慮し、確実に行える強度・頻度を設定することがおすすめです。
⑦意識性
トレーニングを行う際、何を意識させるか?重要となってきます。
例えば
・筋肉を大きくしたい場合は、トレーニング時に収縮する筋肉を意識させる
・下半身のトレーニング中、首や肩など過緊張してしまう場合は、力が入らないように意識させる
・動作を修正したい場合は、扱っている器具の軌道・身体の軌道を意識させる
など、目的によって意識させることを決めます。
内容によっては、意識させるではなく・イメージさせてもいいでしょう。
例 背臥位で脚をあげる動作(SLR)
股関節屈曲動作で股関節に意識があると大腿直筋や大腿筋膜張筋を使いつまりを感じやすくなります。
意識を鳩尾あたりから脚をあげるように意識をもってもらうと(腸腰筋へシフト)、つまりがなくなることがあります。
意識がかわることで使われる組織がかわります。
この場合、足部に意識をもたせる・脚の長さを円運動の半径とすると半径が長くなるように動作を行ってもらうなど、クライアントがやりやすくなる提案をしましょう。
⑧個別性
体力レベル・目的が同じ人に、同じメニューを行っても効果が同じになるとはかぎりません。
クライアント1人1人に最適になるように微調整をする必要があります。
例
臀部・ハムストリングスの強化としてヒップリフトを選択。
当然、クライアントもその部位を使っている感覚があると思っていたが、聞いてみるとその部位を使う感覚はないとの返答。
足の置く位置・幅、骨盤をあげる高さなど修正する必要があります。
このように、この種目ではここが鍛えられるはずだと思い込んでしまい、実際は違う部位が鍛えれてしまうといったことが現場ではよくおきます。
先入観をすて、クライアントによって最適なメニューを提供することが重要です。
まとめ
前回と今回でトレーニングの原理原則8つについて解説をしました。
トレーニングの効果を出すために
・一生継続できる長期的視点を持つこと
・負荷は定期的に見直すこと
・偏らず様々な感覚に刺激を与えること
が重要となってきます。
短期間で身体がかわるといった内容に惑わされることなく原理原則にそってトレーニングを行いましょう。
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